骨材セミナー

第21回骨材セミナー(令和6年9月6日)

講演テーマ
「コンクリート用骨材と環境配慮 -地産地消・適材適所・技術活用-」
株式会社淺沼組 戦略企画本部 技術研究所 所長 山﨑 順二 様

 

内容
昨今のコンクリートの多様化により、骨材品質に対する要求性能は以前にも増して高くなっている。コンクリート構成材料の約70%を占める骨材の品質は、フレッシュコンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化コンクリートの強度やヤング率、収縮特性などに影響を及ぼす。国内では山砂利や川砂など天然骨材の枯渇化により、人工骨材つまり砕石・砕砂の需要が高いものの、脱炭素化に配慮すれば天然骨材を適切に利活用することは有意であり、環境配慮からも重要な視点と考えられる。本セミナーでは、地産地消・適材適所・技術活用の3つのキーワードを挙げ、これらを環境配慮に絡めつつ、骨材品質とコンクリートの性能、骨材を取り巻く環境配慮などについて私見と雑考を述べる。

岐阜県砂利協同組合 講演会(令和6年2月2日)

講演テーマ
「国土強靭化の推進 ~新たな基本計画に基づく国土強靭化の取組の推進~」
内閣官房 国土強靭化推進室 内閣参事官 堂薗 俊多様

 

内容
令和6年2月2日 大垣フォーラムホテルにて、岐阜県砂利協同組合の主催で、内閣官房 国土強靭化推進室 内閣参事官 堂薗 俊多様による上記テーマの講演会が行われました。

第20回骨材セミナー(令和5年9月4日)

講演テーマ
「山から川を流れる土砂と地形 -持続可能な土砂資源の利活用に向けて-」
岐阜大学 流域圏科学研究センター  准教授 原田 守啓 先生

 

内容
日本は世界でもとりわけ山地からの「土砂生産量」が多い国で、かつて荒廃した山地から川を流れ下る土砂は河道を埋め尽くし、氾濫を繰り返していた。明治時代以降の治山治水の進展やダム建設により、河川を流下する土砂量は減少し川砂利は希少となったが、近年の豪雨災害の増加により、河川の洪水流下能力を保つための河道掘削や浚渫への投資が増加。また、平野部の地盤を形成したのは、川が運んだ土砂であり、陸砂利として採取される土砂も、河川が作り出した地形との関係性をもって理解することができる。本講演では、川が土砂を運び地形を作り出す仕組みを、主に木曽三川と濃尾平野を例に解説し、河川管理とも調和的な形で河川の土砂を資源利用していく方向性について提案していく。

第19回骨材セミナー(令和4年9月7日)

講演テーマ
「持続可能な建設に向けたコンクリートの新たなリサイクル手法と植物や砂を主原料とする建設材料の開発」
東京大学生産技術研究所人間・社会系部門 准教授 酒井雄也 先生

 

内容
建設分野は材料の製造、加工、運搬におけるCO2 排出、消費エネルギーなどの面で環境負荷の大きい分野であり、SDGs の達成が急務である近年において特に動向が注目されている。一方で、建設においては大量の材料を使用することから、様々な分野における廃棄物の活用先としても注目されている。コンクリート研究室に所属する講演者は、これらの問題を解決しつつ持続可能な建設の実現に向けて、廃棄物を活用した新たな建設材料や、宇宙開発も見据えて月面でも製造可能な建設材料などの開発を行っており、その最新の知見を紹介する。

第18回骨材セミナー(令和3年11月5日)

◯講演テーマ
「コンクリート工学に今後求められるサステナビリティとは」
東京大学大学院 工学系研究科 社会基盤学科
教授 石田 哲也 先生

 

◯内容
コンクリートは土木構造物や建築物の建造に欠かせない基幹材料であり、様々な環境において数十年から数百年もの長期にわたって、要求される機能や性能を満足する必要がある。一方、コンクリートの主要な構成材料であるセメントを製造する際に排出する CO2 の量は、全世界で人為的排出量(271 億トン)の約 6%、16 億トン程度と推定されている。また、良質な骨材資源のひっ迫や、セメントの原料となる石灰石の枯渇も長期的に懸念される。コンクリート工学におけるカーボンニュートラルの実現や資源の有効活用と、コンクリート材料の更なる機能・性能向上の両立を図るための最新技術の動向について紹介する。

第17回骨材セミナー(令和2年10月23日)

講演テーマ
「中部地方の反応性骨材の岩石学的特徴とASR試験法及び抑制対策の新提案」
金沢大学 名誉教授 鳥居 和之 先生

 

内容
中部地方の地質構造に関して、北陸地方のグリーンタフ地域の火山岩や火砕石、美濃地方のチャートや石灰石などの堆積岩、さらに中央構造線付近の変成岩など、種々の岩石がコンクリート用骨材として使用されてきた。中部地方では、急速膨張性と遅延膨張性の2種類のタイプのアルカリシリカ反応(ASR)が発生している。この度、東海環状道や東海北陸道2期線の建設工事において、これらの反応性骨材に適したASR試験法とその抑制対策を提案した。本講演では、中部地方の反応性骨材の岩石学的特徴について述べるとともに、新しいASR試験法の概要とフライアッシュコンクリートの地域実装による抑制対策の地域実装の課題について紹介する。

第16回骨材セミナー(令和元年9月6日)

講演テーマ
「コンクリートの品質確保における施工の重要性
-骨材等材料・配合が施工性に及ぼす影響の理解と評価の基本-」
首都大学東京 都市環境学部長 教授 宇治 公隆 先生

 

内容
コンクリート構造物の建設においては、生コンクリートの使用が一般的である。コンクリートの品質は、製造/運搬/圧送/打込み/締固め/養生の各施工段階の影響を多少なりとも受け、結果として、構造物の安全性・耐久性を左右する。また、環境保全ならびに資源の有効利用が社会的関心事となっている。さらに、描造物の耐震性向上の観点に立った過密配筋がコンクりート打設時における課題となっており、様々な材料・配合条件に対応できる施工性の確保が一層、重要となっている。そこで今回、骨材をはじめとした各種材料ならびに配合の相違が、コンクリートの施工性や構造物の品質に及びす影響、ならびに施工に関連するJ I Sや学会規準の現状を紹介する。

第15回骨材セミナー(平成30年8月6日)

講演テーマ
「骨材の多様化と有効利用-サスティナブルなコンクリートを目指して-」
NPO法人持続可能な社会基盤研究会理事長
群馬大学名誉教授,前橋工科大学前学長名誉教授 辻 幸和 先生

 

内容
コンクリート用の砕石および砕砂,砕石粉,高炉スラグなどの各種スラグ骨材、再生骨材、回収骨材などの多種多様な骨材が、サスティナブル(持続可能)なコンクリート構造物の建造のために、JIS規格化され、有用されている現状を解説する。サスティナビリティを向上する試みは、建設分野に限らずいずれの分野でも重視され、投資などの金融活動の物差しにもなっている。生コンクリートのJIS規格化でもこれまで考慮されてきたが、平成23年の追補改正で導入した環境ラベルは、そのシンボルマークとして適切であり、今後の砂利と砂をも含めたコンクリート分野の方向性を示すものである。これらに関連して、欧州規格EN12620をベースに、2017年7月に発行されたISO19595 (コンクリート用骨材)、および現在注目されている欧州のコンクリートイニシアテイブ(The Concrete Initiative -solutions forEurope’ s future-)の活動についても紹介する。

第14回骨材セミナー(平成29年8月3日)

講演テーマ
「フライアッシュの有効利用拡大の意義と課題について」
石川工業高等専門学校 環境都市工学科 教授 福留 和人 先生

 

内容
フライアッシュの性能改善効果は、フレッシュコンクリートから長期耐久性と多岐にわたっており、有効利用拡大の意義は極めて大きい。現在、様々な取組みがなされており、種々課題を克服して、より一層の有効利用拡大を進めることが望まれる。本講演では、フライアッシュの有効利用拡大の意義と課題を整理して解説するとともに、話題提供としてコンクリート以外の有効利用技術・実用化事例を紹介する。

第13回骨材セミナー(平成28年7月4日)

講演テーマ
「中部地方のアルカリ骨材反応の特徴と最新の話題」
愛知工業大学 工学部 土木工学科 教授 岩月 栄治 先生

 

内容
現行JIS試験法と総量規制による抑制対策の問題点、中部地区の反応性骨材の分布や劣化構造物における反応の特徴からASR対策におけるぺシマム現象と岩石学的反応特性の考慮の必要性を解説するとともに、新たな積極的ASR抑制対策として、プロピオン酸カルシウムの添加による方法を紹介し、コンクリート供試体5年間の暴露試験結果を公表した。

第12回骨材セミナー(平成27年8月4日)

講演テーマ
「発想豊かにコンクリートを楽しもう!」
岐阜大学工学部長 社会基盤工学科 教授 六郷 恵哲 先生

 

内容
地域の教育、研究拠点である岐阜大学の魅力アップに向けた取組みと特徴ある教育内容の紹介、ならびに大学での研究内容と研究成果の社会での活用事例として高靭性モルタルの紹介と研究のアイデアや発送方法についての講演。

第11回骨材セミナー(平成26年10月27日)

講演テーマ
「持続可能な社会の構築に向けた骨材産業のあり方」
骨材資源工学会会長 岩手大学工学部社会環境工学科 教授 大塚 尚寛 先生

 

内容
少子・高齢化、人口減少社会の到来による社会構造の変化は、わが国の建設産業や骨材産業に大きな影響を及ぼす極めて重要な課題である。骨材業界が自らの努力で新しい展開を切り開いて行くための、社会構造変化の現状把握と将来分析、ならびに今後の進むべき方向についての検討。持続可能な社会の構築に向けた骨材産業のあり方についての講演。

第10回骨材セミナー(平成26年8月7日)

講演テーマ
「NEXCO中日本の建設・保全の現状と今後の展望―コンクリート橋の中心として―」
NEXCO中日本高速技術マーケティング株式会社 代表取締役社長 上東 泰 氏

 

内容
コンクリート工事の豊富な経験と高速道路事業における実践の立場から、コンクリート橋を中心に①高速道路の建造物の変状の実態と長寿命化に向けた取組み事例、②新名神等の建設事業の概要、等の説明と、建設・保全技術の今後の展望についての概説。

第9回骨材セミナー(平成25年10月3日)

講演テーマ
「コンクリート用骨材の規格・規準について」
東京工業大学 名誉教授 長龍 重義 氏

 

内容
数多くの研究業績や規準類の作成ならびにコンクリート工業協会会長など学協会での重職の歴任などによる豊富な知見と経歴に基づく大局的な見地から、これまでの骨材セミナーの総括と資源循環による持続可能な社会に向けた骨材とコンクリートの関わりなどについての提言。

第8回骨材セミナー(平成25年4月3日)

講演テーマ
「アルカリ骨材反応抑制のために骨材生産者ができること・すべきこと」
(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター フェロー 博士(工学) 山田 一夫 氏

 

内容
基礎知識として、アルカリ骨材反応の基礎、日本の反応性評価法と抑制対策の限界と国際的動向、日本の地質構造と反応性の可能性がある骨材の分布について説明の説明。国や発注者の対応を持っていても課題解決にはならないことから、より合理的な生産活動を目指して、骨材生産者ができることとすべきことについての提案。

第7回骨材セミナー(平成24年10月22日)

講演テーマⅠ
「骨材・コンクリート試験の評価とその解釈」
一般財団法人建材試験センター 本部技術主幹 真野 孝次 氏

 

内容
代表的な骨材及びコンクリート試験を対象として、その必要性と試験結果の解釈について、実務者としての考え方の一例と紹介。

 

講演テーマⅡ
「規格・規準・基準の解釈とあり方」
広島工業大学 工学部 教授 十河 茂幸 氏

 

内容
コンクリート工事に際して遵守すべき諸規準は、標準的な構造物においては適合するものの、すべての構造物、すべてのコンクリートに最適とは限らない。規格・規準・基準の解釈とあるべき姿について作成者による概説。

第6回骨材セミナー(平成24年5月7日)

講演テーマ
「コンクリート品質の決め手となる『骨材』への期待」
広島工業大学 教授 工学博士 十河 茂幸 氏

 

内容
コンクリートに求められる性質は多様化しているが、コンクリートの品質を支配するのはセメントよりむしろ骨材であること。また、その骨材の品質については天然であることから近年まであまり議論をされていなかったが、コンクリート品質の決め手となる骨材に対して、その品質のあり方、特にひび割れに対する影響、土木と建築の考え方の違いなどについて建設のエキスパートからの解説。

第5回骨材セミナー(平成24年2月7日)

講演テーマ
「鉄筋コンクリート造建築物の性能(耐久性等)に及ぼすひび割れの影響と対策」
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授 博士(工学) 野口 貴文 氏

 

内容
ひび割れ指針、JASS5の変遷を通して乾燥収縮率とひび割れ幅抑制の関係について、また今後建築の環境性能評価が重要になること、さらに国策で公共建築物の木造化が推進され耐火構造物である鉄筋コンクリート造の地位を脅かそうとしている現状について建築分野のコンクリートの第一人者からの解説。

第4回骨材セミナー(平成23年11月4日)

講演テーマ
アルカリシリカ反応(ASR)によるコンクリートの劣化現象とその対策-現状と課題-」
金沢大学教授 工学博士 鳥居 和之 氏

 

内容
JR東日本によるASR抑制対策強化などの現状を踏まえ、コンクリートの耐朽性向上に関してアルカリ骨材反応をテーマとして、ASRの劣化の機構からASRによる構造物の劣化を防ぐための抑制対策や維持管理について、また試験における「無害」判定の難しさや今後の動向などについてのASR研究の第一人者からの解説。

第3回骨材セミナー(平成23年9月2日)

講演テーマ
「骨材とコンクリート構造物の性質・・・そもそも性能って何だろう・・・」
京都大学大学院 工学研究科 都市社会工学専攻 教授 博士(工学) 河野 広隆 氏

 

内容
土木構造物について、その社会的意義、設計プロセス、性能照査の現状に関する概説から、今日の骨材を含んだコンクリートにおける諸問題の背景についての教示と、その後の活発な質疑応答でASR、乾燥収縮、ひび割れなどの各論について土木分野のコンクリートの第一人者からの解説。

第2回骨材セミナー(平成23年5月12日)

講演テーマ
「骨材がコンクリートの諸性質に及ぼす影響」
岐阜工業高等専門学校 教授 博士(工学)岩瀬 裕之 氏

 

「コンクリートへのオマージュ-Concrete for Human これからの社会資本整備とコンクリートそして骨材-」
岐阜大学名誉教授 工学博士 小柳 治 氏

 

内容
骨材がコンクリートのフレッシュ性状から硬化特性さらに耐久性に及ぼす影響について現役教授による土木材科学の模擬授業。
これからの社会基盤整備におけるコンクリートと骨材の使われ方について設計思想にも触れたコンクリート工学の大家による講義。

第1回骨材セミナー(平成23年2月3日)

講演テーマ
「コンクリート用骨材(砂利・砂)に対する要求品質と、各品質項目のコンクリートの品質、性能に与える影響について」
品質問題検討特別委員会 博士(工学) 髙田 浩夫 氏

 

「鉱物・岩石の性質から見たコンクリートの乾燥収縮について」
独立行政法人 産業技術総合研究所 理学博士 須藤 定久 氏

 

内容
砂利生産県岐阜の地質の特徴とそこを後背地として生産され、沖積平野に胚胎する砂利・砂の成り立ち、ならびにコンクリート用骨材の品質要求など骨材に関する基本事項の解説。
岩石学的見地から粘土鉱物のコンクリートの乾燥収縮特性への影響について、ミクロの視点により骨材性質を捉えた研究成果の報告。