骨材について
骨材とはコンクリートをつくる際に、セメントや水と混ぜ合わせる砂利、砂のことです。コンクリートはセメントで出来ていると思われがちですが、コンクリートの80%は砂利・砂で出来ているのです。
良い骨材とは
良い骨材には以下の5条件を満足していることが求められます。
- 堅固である
- 石質が安定している
- 粒形が丸みを帯びている
- 粒度が適切
- 清浄
また、塩分が少ないこと、化学的に安定していることも重要です。
骨材の種類
骨材は採取される場所によって呼び名があり、またそれぞれに特徴があります。
採取場所・特徴 | 実積率 | 密度 | 吸水率 | 不純物 | モルタル 付着性 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
川砂利・砂 | 河床や河川敷内より採取される骨材。コンクリート骨材として良質であるが、近年は採取規制のため使用量が減少している。 | ◎ | ○~◎ | ○~◎ | △ | × |
陸砂利・砂 | 旧河川敷で田畑の表土を剥して採取される。泥分を多く含むため洗浄して使用される。 | ○ | ○~◎ | ○~◎ | ○ | ○ |
山砂利・砂 | 旧河床や海底が隆起して出来た丘陵地の砂れき層から採取される。泥分を多く含むため洗浄して使用される。 | ◎ | △~○ | △~◎ | ○ | ×~○ |
マサ砂 | マサ土(風化花崗岩)を整粒処理した後に洗浄して使用する。 | ○ | ×~△ | ×~△ | ○ | △ |
砕石 | 岩石や大きな玉石をクラッシャーで破砕して作る骨材。天然砂利・砂に比べて角張っているが均質。 | × | △~◎ | △~◎ | ○ | ◎ |
海砂利・砂 | 海や海浜、海岸線近くの丘陵などより採取される。塩分を多く含有するためよく洗浄しないと塩害によるコンクリートの劣化が起こる。 | ◎ | ×~○ | ×~△ | ×~△ | × |
※東海地区の標準的各種骨材を参考にしています
岐阜骨材販売協同組合で扱っている骨材は 海砂利・砂を除く河川砂利・砂、陸砂利・砂、山砂利・砂の3種類です。特に、木曽川、長良川、揖斐川、の3河川流域と飛騨川で良質の河川砂利・砂、陸砂利・砂が、また、土岐丘陵より山砂利・砂が採取されています。(砂利の採取からプラントでの製品化については岐阜県砂利協同組合のホームページをご覧ください)
砂利・砂とコンクリートの関係
- 単位量(コンクリートをつくるときに用いる材料の使用量)
- 砕石に比べて天然砂利・砂の方が流形が良いため単位水量が少なくてすむので、砕石と同一水セメント比にするのに、セメント量が少なくできます。
- 実積率(容器に満たした骨材の実質部分の、その容器の容積に対する百分率。大きいほうが良い粒形をしている。)
- 砕石に比べ天然砂利の方が実積率が大きい。
- 配合(コンクリートをつくるときの各材料の使用割合、または使用量)
- 粗骨材を一定と考えた場合、天然砂利・砂は砕石に比べて水量、セメント量、砂量が少なくて済みます。
- フロー(流動性)
- 粒形が丸みを帯びているため、フローが出やすい。
- 乾燥収縮(硬化したコンクリートが乾燥によって収縮する現象)
- 乾燥収縮はおもにセメント部分で起こります。よって少ない水量、セメント量で済む天然砂利コンクリートは骨材の中では有利といえます。
- 塩害(コンクリートの問題参照)
- 塩分を含んでいないので起こりません。
- アルカリ骨材反応(コンクリートの問題参照)
- 反応試験を行って十分に気をつけていますので問題ありません。
コンクリートの問題
[塩害]
鉄筋コンクリートにおける塩害とは、塩化物イオンがコンクリート製造時に混入あるいは、構造物の使用中に進入し、蓄積された量がある程度以上になると、コンクリート中の鋼材の腐食が促進されて、鉄筋コンクリートが劣化する現象をいいます。
[アルカリ骨材反応]
骨材中の特定の鉱物とコンクリート中のアルカリ性細孔溶液との間の化学反応のことです。この反応によって、コンクリート内部で局部的な容積膨張が生じ、コンクリートにひび割れを生じさせるとともに、強度低下あるいは弾性の低下という物性の変化が生じます。